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【クレモンティーヌのパリ便り】便利なネット社会に落とし穴

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【クレモンティーヌのパリ便り】便利なネット社会に落とし穴

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インターネットのサイトでやむなく売りに出したウエスタンブーツ(クレモンティーヌさん提供)  みなさん、お元気ですか? フランスの学校は先週末で終了。長い夏休みに入りました。

 パリでは、夏のセールの開始と同時期に2016年春夏シーズンの新作メンズコレクションを発表するファッションウイークが開催されます。今年はセール初日にタクシーのストライキもありましたが、街は人であふれかえり、みな上機嫌。バカンス前のフランスの6月は本当に魅力いっぱいです。

 セール初日、ずっと欲しかったウエスタンブーツを買いました。何度も試し履きをして買ったのに、2度目に履いたとき、足の親指に違和感を覚えたのです。足が痛くなる靴は本当に最悪です!! すごく気に入っていたのですが、まだほとんど新品だし捨てるなんてできないし、友人の趣味には合わないし…。悩んだ末、今流行の「Le bon coin」(楽天やアマゾンのようなサイト)で売ることにしました。

 口座を調べてみたら

 サイトにアップしてすぐに買いたいという人から連絡があり、これまた流行の「ペイパル」(電子決済サービス)で支払いますとのことでした。ほどなくしてペイパルから「支払い完了しました」との連絡が来たのですが、その連絡メールがあまりにも誤字脱字が多く、不審に思い、口座を調べてみました。やっぱり思った通り「詐欺」でした!! 幸いにもブーツを送る前だったので被害はなかったのですが、ネット社会は便利ですが落とし穴も多く、うまくつき合っていきたいものですよね。フェイスブックやインスタグラムを否定するつもりは一切ありません。それどころかとても大切なコミュニケーションツールですが、顔が見えない怖さを知って使いたいものです。

 この時期は年度末なので、アペリティフを楽しむホームパーティーも多く、私もパートナーと二人していろいろなお宅にお邪魔しました。

 日本とフランスのパーティーは似て非なる物です。日本は会場がレストランやバーで会費制。仕事関係のパーティーが多いこと。普段とは違う大声でおしゃべりしたり、大笑いしたりしていること。何軒もお店を変えること。フランスでは家に招くのが普通ですし、招かれた人はワインやデザートなどを持参します。プライベートで仕事関係のパーティーを開くことはありません。大人ですから大きな声を出したり酔っぱらったりすることもありません。どちらも楽しい集まりには違いありませんが、そう! 私には日本のパーティーは「お祭り」という言葉がぴったりなのです。

 最後に、みなさんにご報告するのが遅くなりましたが、ここで何度もお話しさせていただいた勉強嫌いの息子のディエゴの落第が決定致しました。本人はかなり落ち込んでいましたが、どうしようもありません。全て「自分の責任」なのですから、現実を受け止めて今後はしっかり勉強するしかないですものね。母としても、理解できないことを再度きっちり学び理解することが一番だと思います。

 娘のソリータはセール中、近所のブティックでアルバイトをしています。9月までの長いお休みにかかるお金の一部でも、自分で稼ぐことはとても大切です。お金の大切さは働いて初めて分かるものですから。

 Heureusement que je n’avais pas envoye les boots!!(幸いにも、私はブーツを発送しなくて済んだわ)

 (フランス人アーティスト クレモンティーヌ/SANKEI EXPRESS

 ■Clementine パリ生まれ。レコードコレクターの父親の影響でジャズに囲まれて育つ。1988年に歌手デビューし、92年から日本で活動を本格化。2010年、「天才バカボン」の主題歌をはじめ、日本のアニメソングをフランス語でカバーした「アニメンティーヌ」がヒット。音楽だけでなく、オンオフを自然体で実践するライフスタイルも注目を浴びている。最新アルバムは「クレモンティーヌ・シングス・ディズニー」。possion-h.com/cle/

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