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【クレモンティーヌのパリ便り】しつけは大事、でもペットは「家族」
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2歳になったばかりのジョゼフはわが家のアイドルです=フランス(クレモンティーヌさん提供) 皆さん、お元気ですか?
日本は雨の季節ですね。パリには夏がやってきました。午後10時まで明るいので1日が長く、普段は気むずかしいパリジャンも上機嫌な季節でもあり、夏のバカンス前で年度末を迎えた6月はフランス人が一番よく働く月でもあります。息子の学校も年度末イベントのオンパレードで、子供も親も少々疲れ気味です。
そんなてんてこ舞いが続くわが家に最近、とてもいいニュースが飛び込んできました。先日104歳で他界したパートナーの祖母が飼っていた犬に新しい飼い主が見つかったのです。
わが家でもこの小さな家族を迎える準備を進めていたのですが、おばあちゃんが亡くなったことすら完全には理解できていない田舎育ちの彼女をいきなりパリに連れてくるのはあまりにも急激な環境の変化になってしまうから、近所で飼ってくれる人を探していたのです。
新しい飼い主さんはまだ60代のおばあちゃんのご近所さん。早速わんちゃんに会いに行ったのですが、とても幸せそうでした。
今日は2歳になったばかりのわが家のアイドル、フレンチブルドッグのジョゼフのしつけについてお話ししたいと思います。いたずらが大好きで私たちを困らせることの多かったジョゼフですが、先日、「ぴったりのトレーナーがいるからぜひ連絡してみて!」と、いとこのディランから電話がありました。彼いわく、とっても親切でどんな問題がある犬も彼の手にかかればまるで魔法にかかったように「よい子」になると大人気のトレーナーだそうです。
早速電話して1時間半×10回で650ユーロ(約9万400円)のコースに通うことにしました。場所は全仏オープン会場にほど近いブローニュの森で、週2回の早朝クラスです。『犬のしつけは根気よく』をモットーに、アイコンタクトの取り方、リードの使い方、「待て」や「ふせ」などの基本動作の教え方などを和やかな雰囲気のなかで教わります。私たちも愛犬の上達ぶりに大満足!!
ところが3週目のレッスンから「和やか」から一変して「恐れ」に変わったのです。私たち飼い主の態度が悪いから犬はばかにする、飼い主は「絶対」であることを徹底して教えなければ、いい犬にはなれない!! まるで軍隊のようにひたすら命令して、言うことをきけばおやつを与えるのです。
私たちにとってジョゼフは家族です。ドッグショーに出したり、ブリーダーになって商売をするつもりもありません。もちろん他人に迷惑になる「無駄吠え」や「あまがみ」は良くないので、それを徹底して教えることは飼い主の義務だと思いますが、それ以上は必要ないというのは私たちの考え方です。何とか4週間レッスンに通いましたが、家に帰っても私たちのことをおびえるようになった愛犬の姿を見て5週目は行かないことに決めました。
それ以来ジョゼフはとっても元気です。最近、ガールフレンドができたんですよ! ニニというフレンチブルドッグです(笑)。あとはゴールデンレトリバーのお友達もできました。カフェで出会うとうれしそうにしています。
人間も犬も「恐怖」の下で生きることなんて望んでいませんよね!
On a tellement ete traumatises qu’on ne va plus au bois de Boulogne!
(ジョゼフはとても傷ついてしまい、もうブローニュの森に行こうとはしなくなってしまいました)