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みんなで激走するミズノ社内駅伝 元箱根駅伝選手、元Jリーガー、着ぐるみ姿も

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みんなで激走するミズノ社内駅伝 元箱根駅伝選手、元Jリーガー、着ぐるみ姿も

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 自由参加といいつつ、上司や先輩に声をかけられれば、むげに断るわけにもいかない社内行事。「貴重な休日をこんなことでつぶすなんて…」と、しぶしぶ参加した経験を持つサラリーマンは多いだろう。だが、スポーツ用品大手、ミズノ(大阪市)の社内駅伝大会は年々盛り上がりをみせ、200~250人が参加。来年には「グローバル大会」と銘打ち、世界各国の事業所からも参加できるよう規模を拡大する予定という。なぜ、これほど盛り上がるのだろうか-。

 元箱根駅伝選手に元Jリーガー…。注目の対決も

 社内駅伝は、近年のランニングブームの高まりから平成23年12月、大阪・長居公園内で自由参加の「社内駅伝大会」を初開催したところ、想定を上回る30チーム200人超が参加。

 予想外の人気を受け、昨年は「駅伝祭り」とネーミングも変更。大阪・舞洲のランニングコースと埼玉県内の公園でそれぞれ「西日本大会」「東日本大会」を開催したところ、西日本大会には25チーム150人、東日本は16チーム100人がそれぞれ参加し、大盛況となった。

 チーム編成方法は自由で、部署ごとのチームもあれば、社内スポーツクラブ単位のチームや、複数社員の家族による合同親子チームなど、実にさまざま。1チーム5人で、1走は5キロ、2~5走は3キロずつの計17キロをたすきをつないで走る。

 元箱根駅伝選手、元高校球児、元Jリーガー…。幅広い競技の学生アスリートが入社を志すミズノとあって、“注目の対決”にも事欠かないとか。

 「着ぐるみ姿の社員や、社員の小学生の子供さんもほほえましく走っている。その中に、実業団で10位以内に入る陸上選手が混じって激走しているんです。なかなか見られる光景じゃない」。

 大会を企画した人事総務部大阪総務課の石戸隆課長はこう力説する。

 もちろん、参加者のウエアやシューズはすべてミズノ製品。強制はしていないが、文字通り「頭のてっぺんからつま先まで」、全員が自社製品を身にまとっているのだという。

 仕事というより、純粋な楽しみ

 スポーツ用品大手とあって、ランニングブーム前から、シューズ担当者のほとんどが、出張先にもシューズとウエアを持参し、空いた時間に走っていたという。もともと愛好者が多かったことが駅伝大会の盛況につながったようだ。

 だが、社内スポーツイベントの盛況ぶりは、駅伝大会だけではない。毎年6月にはソフトボール大会も開催しているが、こちらも200人超が「喜々として自主参加する」。社内スポーツクラブの野球部のメンバーなどを中心に根強い人気がある。

 実は、同社は明治39年の創業時から、創業者の水野利八の発案で10月の「体育の日」に合わせて体力測定会を実施。このほか、社内野球チームの結成など、「社内スポーツ」は脈々と受け継がれてきた。さらに、「社員の99.9%は過去には何らかのスポーツ経験がある」と石戸課長。「みんな、基本的にスポーツが好きなんですよ。だから駅伝と聞けばとりあえず練習を始めちゃうし、それがきっかけでランにはまってしまった社員もいる」。

 どうやら、純粋に楽しんでいる社員が多いようだ。

 次は世界大会?

 3回目となる今年の駅伝大会は、10月に大阪で「全国大会」として開催予定。参加人数は500人を想定しており、大会後には恒例となっているバーベキュー大会も開く。規模が大きいため役員会の承認が必要。予算も約300万円に達する見通しのため、会社と労働組合の共催にする予定という。

 駅伝の良さは、年齢、経験、性別に関係なく、幅広い参加者が一緒に楽しめることだ。部署が違えばほとんど話すこともない社員同士が、大会をきっかけに知り合い、仕事上の情報交換・課題共有につながった例は枚挙にいとまがない。

 石戸課長には、壮大な構想がある。来年の大会は、世界各国のシューズ担当者が集う1月の「グローバル会議」に合わせ、「グローバル駅伝大会」として世界大会にする考え。

 それだけにとどまらず、将来的には同業他社も交えた「スポーツメーカー大会」、そしてその先には、異業種も呼び込んでの「異業種大会」…って、本当に?(木村さやか)

◇会社データ◇     

本 社=大阪市住之江区南港北1-12-35

設 立=明治39年

資本金=261億3700万円(平成25年3月末現在)

売上高=1637億円(25年3月期連結)

従業員=5368人(連結、25年3月末現在)

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