疲れないシート、極上空間を演出
≪STORY≫
なぜ、新幹線には航空機のようなファーストクラスがないのか-。
素朴な疑問が出発点だった。折しもJR東日本には、グリーン車の利用客から「もっと静かに過ごしたい」「もっとゆったりとした車内空間を」といった声が寄せられていた。
出した答えが最上位シート「グランクラス」だ。今月4日全線開業した東北新幹線に来年3月デビューするE5系「はやぶさ」に導入される。
はやぶさは国内最高の時速300キロでの営業運転が予定され、2012年度末には320キロに引き上げられる。
国内最強の新幹線には、国内最強のサービスを-。“新幹線版ファーストクラス”の導入は、自然な流れでもあった。
高速鉄道特有の構造も、グランクラス導入に追い風となった。グランクラスが入るのは先頭車両のみ。新幹線の先頭車両は「ノーズ(鼻)」と呼ばれる先端部分を低く長くし、空気抵抗や騒音を減らす必要がある。