リテール(個人向け取引)競争で、ネット銀行に商機が訪れている。三菱東京UFJ銀行が20日、コンビニエンスストアに設置された現金自動預払機(ATM)の利用手数料を有料にするなど、メガバンクや地銀が相次いで有料化に乗り出しているからだ。これに対し、ネット銀行は、無料を改めて打ち出すCMや独自サービスなどで差別化を進める。
「個人の味方」訴え
「ソニー銀行はATM手数料0円」。今月9日、動画サイトのユーチューブや東京メトロの車両内ビジョン、JR首都圏16駅に設置されたデジタルポスターで、この言葉を盛り込んだ動画CMが一斉に流れ始めた。
ソニー銀が今夏に行ったアンケートでは、手数料が全時間帯0円なのを知る人が5割を下回り、認知度の低さが明らかになった。高木文隆営業統括部長は「若者に伝わりやすく差別化した訴求がしたかった」と、動画CM投入の狙いを明かす。