■ソーシャルからプラットホーム重視へ
米グーグルのソーシャルネットワーク、「Google+(グーグルプラス)」が引退の時を迎えているかのようだ。ゆっくりとしたその死を、私たちは目撃しているのかもしれない。グーグルプラスの責任者であった上級副社長のヴィック・グンドトラ氏がグーグルを最近退社し、グーグルの戦略はソーシャルネットワークから離れ、プラットホームとしてのグーグルに焦点が移っていきそうだ。
ユーザー見いだせず
覚えているだろうか。グーグルプラスは、グーグルが米フェイスブックを買収できなかったために、フェイスブックと競合するネットワークを目指して始めたものだった。グーグルは昨年10月、グーグルプラスの月間アクティブユーザー数が5億4000万人であると公式に発表したが、これはゆがめられた数字だ。グーグルが全てのサービスにグーグルプラスのネットワークを組み込んだことにより、その意思もなく誤ってグーグルプラスを触ってしまった多くの人が含まれているからだ。
グーグルプラスをソーシャルネットワークとして利用し、アクティブに投稿したり他の人の投稿を読んだりしているユーザーを数えると、月間700万人ほどだといわれる。私はその多くが日本にいるのではないかと推測する。個人的な経験から、日本ではソーシャルメディアの専門家や著名人がこのシステムをアクティブに利用しているのを見てきた。
技術的にはとても洗練されているソーシャルネットワークだが、グーグルのユーザーの多くはこのシステムを無理やり使えと言われ続けてきたように感じている。何億人もの既存サービスユーザーにグーグルプラスを押しつけることができたその力が、今回はグーグル最大の弱点になった。