次世代エコカーの本命とされる燃料電池車(FCV)向けに、燃料となる水素を供給する施設「水素ステーション」の拡大に向けた動きが加速してきた。16日、調査会社が発表した水素関連の国内市場は、2025年度に5228億円まで拡大すると予測しており、水素ステーションは市場開拓の鍵となる。
JX日鉱日石エネルギーは同日、水素ステーションを運営する子会社を10月1日付で設立すると発表した。JXエネは新たに設立する子会社に水素製造設備や水素ステーションの運営などを委託する。15年度までにグループで40の水素ステーションの設置を目指す。
一方、岩谷産業は水素ステーションを商用として初めて兵庫県尼崎市に開設し、燃料電池車の販売開始後、水素の一般向け販売を始める。価格は未定だが、ガソリン車と走行コストが同等になる水準に設定する方針だ。
調査会社の富士経済が同日発表した水素関連の国内市場予測によると、25年度に今年度に比べて約26倍となる5228億円まで拡大する。内訳では、FCV向け水素燃料市場はFCVの市販化が始まる今年度に立ち上がり、量産モデルの投入が予想される20年度以降に大きく伸びると予想。25年度は947億円に達するとした。