経営者の高齢化で中小企業の後継者不足が深刻となる中、事業承継を支援するビジネスが活況を呈している。M&A(企業の合併・買収)の仲介サービスでは独立系の会社が実績を積み上げ、採算性の低さを理由に敬遠していた大手金融機関も参入。転職支援などで得たノウハウを生かし、人材派遣会社も後継者探しのサポートに乗り出している。支援ビジネスの広がりで後継者難への対応が進めば、日本経済を支える中小企業の活性化にもつながりそうだ。
セミナー参加者増
「自分の代で会社を畳む考えだったが、買収される側の同意の下で行う友好的M&Aという解決策を知り、希望が持てた」
6月10日、都内で開かれた「事業承継・M&A活用セミナー」に参加した調剤薬局の経営者は、こう話した。独立系仲介会社のM&Aキャピタルパートナーズが主催するセミナーは2年前の初開催から回を追うごとに参加者が増え、今回は定員500人に対し3倍の応募があった。