【シンガポール=吉村英輝】エアアジア8501便の機長は消息を絶つ直前、進路変更要求を管制に出していた。付近はこの時期、多数の積乱雲が発達しやすく「パイロット泣かせの航路」とも呼ばれる。状況からは、計器が着氷し操縦に失敗した、2009年のエールフランス機墜落事故との類似性も指摘される。
進路変更を要求後に
不明機は28日午前5時36分に離陸。同6時12分、悪天候を避けるため進路を左に、高度を3万2千フィート(約9750メートル)から3万8千フィートに変更する許可を管制に求めた。5分後の17分に信号が途絶え、18分にレーダーから消えた。
付近をよく知る日本の航空会社の機長によると、年末から2月にかけたこの時期、大きいものは幅300キロにもなる積乱雲が何層も発達し、「計器をみながら、迫る雲のカーテンの間をすり抜けていく難所」として知られるという。