東証マザーズ上場で、記念の鐘を鳴らすヒューマンウェブの吉田社長=3月19日、東京証券取引所【拡大】
産地から入荷したカキをセンターに集め、紫外線殺菌した海水で36~48時間処理を行う。無菌の大量の海水でカキの菌を流してしまう。14年、富山県入善町に設立した入善センターでは富山湾の200メートル以下の深海から採取した、人体に害になる菌がいない、ミネラルなどの栄養豊富な海洋深層水を使う方法も取り入れた。
この結果、飛躍的にカキの安全性が高まり、生ガキを提供するオイスターバーを全国展開できるようになったという。
吉田社長は「百貨店内への出店では半数で、月坪売り上げ(1カ月の単位面積当たり売上高)が、従来トップだったすし店を追い抜くほど集客できるようになった」と胸を張る。
同社のカキの独自基準は「ノロウイルス検出ゼロ」など厚生労働省基準を上回るが、一層の安全性向上を目指して研究を進めている。広島や富山で取り組んできたのはカキの「加工」による安全性向上だが、東京大学と共同でウイルスや細菌に汚染されていない深層水を利用して、安全なカキの陸上「生産」を目指している。