NTTは、通信事業者向け光回線の1芯当たり月額接続料を2019年度に今年度より約32%安い2000円程度に引き下げる方針を固めた。KDDIやソネットなどがNTT東西地域会社から借りる光回線コストが大幅に低下するほか、企業向けに卸売りする「光コラボ」の回線料金も低廉化する見通し。接続コストの引き下げによって、光サービスの利用拡大を加速したい考えだ。
NTT側の提案を検討してきた総務省の委員会がまとめた報告書を7日、総務省・情報通信審議会の部会が了承。意見公募を経て9月にも審議会が答申する見通し。
KDDIなど通信事業者はNTT東西が敷設した光回線と自社の通信設備との接続料を支払って光サービスを提供している。接続料は14年度の2808円まで毎年引き下げられてきたが、今年度は需要見直しや人件費増などにより2929円に上昇した。
NTTは減価償却方法の変更やコスト計算方法の見直しなどによって、大幅な引き下げが可能としている。
現行の接続制度では来年度以降も接続料の値上げが避けられない情勢で、総務省の委員会では芯線単位から利用者単位のコスト計算への移行など制度の見直しも検討されていた。しかし、制度変更を嫌ったNTTの提案を受け、現行制度の枠組みを維持しつつ、接続料の大幅引き下げによる光サービスの普及促進に期待することにした。