日本の工芸品を海外仕様に コーディネーター・大谷啓介氏

2016.1.5 05:00

 海外のビジネスパートナーと組み、日本の工芸品を海外仕様に変えて売り出すコーディネーターの大谷啓介氏(41)。パートナーが地の利を生かして商品の企画、デザイン、マーケティングを行い、大谷氏は日本のメーカーに製造を依頼する。シンガポールを中心にビジネスを展開し、オーストラリアや欧米への進出も視野に入れる大谷氏の狙いは「海外市場の拡大で日本のものづくりを活性化させる」ことだ。

 大谷氏は、これまで日本の7社と提携してきた。16日に家具メーカーのレグナテック(佐賀市)が売り出すシンガポール向けの椅子は、中華文化圏で広く使われている伝統的な形に、現代風のアレンジを加えた。素材は現地で人気のあるヒノキを用いている。

 大谷氏は、シンガポールで佐賀県有田町の商社、KIHARA(キハラ)の陶磁器をベースにした商品を、ヒットさせた実績がある。マーライオンや建国の父、リー・クアンユー氏の肖像などシンガポールを象徴する図柄が描かれた「ワンシンガポール」という大皿だ。日本人には違和感のあるデザインだが、店頭に並ぶとすぐに売り切れるほどの人気商品に育っている。

 また“団地”の絵柄を採用した小皿も売り出した。「国土が狭く、団地育ちの人が多い。懐かしさや親しみを感じるようだ。現地の事情を熟知したパートナーと組んだからこそ、こうしたヒット商品が誕生した」(大谷氏)と連携の重要性を強調する。

 今後の目標は、工芸品の海外展開を拡大していくことだ。すでに豪州では別のパートナーと組み、コアラや鳥、身近な日用品など、同国のシンボルを絵柄に取り入れた皿を発売した。

 さらに、年内をめどに欧州と北米で現地パートナーを探し出して、連携したい考えだ。

 大谷氏によって生まれる海外との新たなコラボレーションによって、売り上げを伸ばす工芸品が増えていきそうだ。

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