洋楽器の世界でメード・イン・ジャパンの評価が高まっている。設計や製造工程の細かな違いが音に影響するが、日本メーカーの高い技術力が高品質につながっている。世界のオーケストラで採用されたり、国際的なピアノコンクールで出場者に選ばれたりするケースが増えている。欧米製品のコピー、安モノといった従来イメージが世界で変わりつつあるという。(栗井裕美子)
存在感と安心感
「思う通りの音が出せるね」
ピアノメーカーの国内最大手、ヤマハの大阪市西区のショールーム。同社製のコンサート用グランドピアノ、CFX(シー・エフ・エックス)を試弾した小中学生は笑顔で語った。
同社製のピアノは「個性がない」とも揶揄(やゆ)されがちだったが、CFXは「歌うピアノ」を目指して開発された。音色の決め手となる響板や弦を打つハンマーの設計を改良し、存在感ある華やかな音色と繊細な表現を可能にした。