シャープは3日、2017年3月期の連結業績予想を上方修正し、営業利益の見通しを、従来の257億円から373億円に引き上げた。前期は1619億円の赤字だった。傘下入りした台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と進める経費削減策が奏功、テレビ用やスマートフォン向けの液晶ディスプレー、テレビなどの業績も回復した。
売上高の見通しは2兆円から2兆500億円に引き上げ、最終損益も赤字額が418億円から372億円に縮小するとした。同日、記者会見した野村勝明副社長は「これまでは事業見直しに取り組んできたが、今後は競争力を強化し、事業を拡大していく。技術開発への投資や、発展のための買収なども進める」と述べた。
同時に発表した16年4~12月期連結決算は、液晶パネル事業低迷の影響で、売上高が前年同期比23.2%減の1兆4912億円だった。営業損益は290億円の赤字から189億円の黒字に転換した。最終損益は411億円の赤字だった。