日立製作所は8日、南アフリカで建設中の石炭火力発電所に関し、三菱重工業から897億南アランド(約7634億円)の支払いを請求されたと発表した。2016年3月に482億南アランド(約3790億円)を求められていたが、請求額がほぼ2倍となった。
日立は、07年に南アで石炭火力発電所を総額約5700億円で受注。その後、14年に三菱重工が65%、日立が35%を出資して、火力発電関連事業の統合新会社「三菱日立パワーシステムズ(MHPS)」を立ち上げ、南アの案件を引き継いだ。しかし、受注当初に11年を予定していた1基目の運転開始が15年にずれ込むなど、工事は大幅に遅延。三菱重工では、赤字となったことから統合時の契約に基づき日立に一部支払いを求めたが、日立は支払い拒否を回答。その後の協議も平行線をたどっている。
今回の請求に対し、日立では「前回同様、契約に基づく法的根拠に欠けるため応じられない」としている。これに対し、三菱重工は「請求していることは事実だが、詳細は協議中でいえない」としている。
一方、今後については、両社ともに「引き続き誠意をもって協議していく」としている。また、MHPSについても従来通り運営していく方針だ。