民間の自動車専門調査会社フォーインは29日までに、2016年の世界の電動車市場が前年比34.0%増加し、76万1000台となったとの推計結果をまとめた。環境規制が強まる中で「政策的な後押しがある中国や欧州が牽引(けんいん)した」とした。
各国の業界団体やメーカーの生産・販売データなどを基に、ガソリンエンジンと家庭用電源で充電して電気モーターで走る「プラグインハイブリッド車(PHV)」と、「電気自動車(EV)」、水素を燃料に走る「燃料電池車」を電動車として販売台数を推計した。
16年の市場規模は11年の5万3000台に比べ約14倍の急拡大となった。国や地域別では、中国が最も大きく15年比49.5%増の32万台。欧州が9.7%増の20万7000台、米国が38.3%増の15万8000台と続いた。日本は0.1%減の2万6000台。
メーカー別では、米国の新興メーカー「テスラ」が7万6000台と首位で、EV「i3」などを生産するドイツのBMWが6万2000台、EV「リーフ」を生産する日産自動車が5万2000台。トヨタは新型「プリウスPHV」の発売が16年秋から17年にずれ込み、5000台にとどまった。
16年の車の世界販売台数はフォーイン調べで9369万台に上り、電動車は1%に満たない。しかし、「各国が購入者に補助金を出しているため市場の拡大は続く。技術革新で価格がガソリン車程度に下がれば、普及は一段と進むだろう」と担当者は話す。