中国、ガソリン車廃止を検討 日本メーカーの戦略を左右

 中国政府は、原油を精製して得られる物質を燃料とするガソリン車とディーゼル車の生産と販売を停止する時期について検討を始めた。国営通信の新華社が伝えた。英国とフランスは2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を表明済み。世界最大の自動車市場である中国が追随すれば、日系メーカーの経営戦略に大きな影響を与えそうだ。

 今回の措置は環境対策の一環で、電気自動車(EV)をはじめとした新エネルギー車の普及を後押しするのが狙い。停止する時期のめどについては触れていない。

 工業情報省の辛国斌次官が9日に開かれた自動車関連フォーラムで明らかにしたという。辛氏は「わが国の自動車産業の発展を図る上で、大きな環境変化をもたらすだろう」と述べた。

 中国は、自動車メーカーに一定比率以上の新エネ車の生産を義務付ける規制も近く正式に発表する見通し。新エネ車への転換を進める過程で自国のEVメーカーを育成し、自動車産業の国際競争力を高めることも狙っている。

 日本メーカーでは、日産自動車が既に中国で独自ブランドによるEVを販売しているが、中国勢に押され存在感は示せていない。

 ハイブリッド車(HV)を得意とするトヨタ自動車やホンダはまだEVを投入しておらず、出遅れ感は否めない。今後、日本勢は急速なEVシフトを迫られることになりそうだ。(北京 共同)