ブレイゾン・セラピューティクス 脳神経疾患の治療薬開発に着手 (1/2ページ)

ブレイゾン・セラピューティクスの技術のベースとなるドラッグデリバリーシステム(DDS)について説明する片岡一則・東大特任教授=東京都文京区の東京医科歯科大学
ブレイゾン・セラピューティクスの技術のベースとなるドラッグデリバリーシステム(DDS)について説明する片岡一則・東大特任教授=東京都文京区の東京医科歯科大学【拡大】

 ■ナノマシン利用

 東京医科歯科大学発のバイオベンチャー、ブレイゾン・セラピューティクス(東京都文京区)は、薬剤を包む微粒子を、血糖値の変動を利用して脳に送り込む技術を基に、脳神経疾患治療薬の開発に乗り出した。戸須眞理子社長は「おおよそ5~8年後に人への臨床試験開始を目指す」考えだ。

 新技術は、東京医科歯科大の横田隆徳教授や東京大学の片岡一則特任教授らの研究チームが開発した。同社はこれまで、片岡教授らの研究成果を基に、ナノ(1ナノは10億分の1)メートル級のカプセル「ナノマシン」による薬剤伝達技術を活用した脳神経疾患治療薬の開発に取り組んできた。

 しかし、薬剤の送達を妨げる生体バリア機能「血液脳関門」(BBB)が脳の血管にあるため、薬効成分のほとんどが通り抜けられなかった。

 今回、片岡教授らは、食事などを通じて血液中の糖の一種、グルコースの濃度変化を利用してBBBを通過するナノマシンを開発した。ナノマシンとグルコースの運び屋となる物質「グルコーストランスポーター(GLUT1)」が脳血管内で結合し、脳血管内皮細胞内をナノマシンが移動。同細胞を脱出する際にGLUT1からナノマシンが切り離され、そのままニューロン(神経細胞)に到達する仕組みだという。

 既存の薬が脳に届く確率はわずか0.1%だが、この技術を使ったマウスの実験で、到達率は4~6%に上がったという。