【高論卓説】新国立に立ちはだかる時の壁 駒沢競技場活用の自民案は生きる (1/3ページ)

2015.9.3 06:56

 「日本人は時間を守るとか団体行動に向いているというのは嘘だ。どちらも東京オリンピック以降に確立したものだ。みんなそのことを忘れている」

 1964年東京五輪を支えた群像を描いた「TOKYOオリンピック物語」(野地秩嘉著)の中で、五輪史上初のエンブレムと、躍動感あふれるポスターをデザインしたグラフィックデザイナーの亀倉雄策は、インタビューにそう答えている。

 新国立競技場の建設をめぐる世論を巻き込んだ論争は、日本人の時間の厳守と規律のある団体行動が、64年五輪以前に戻ったかのような印象がある。

 政府は8月28日に新国立について関係閣僚会議を開いて、建設費の上限を1550億円とする新計画を決めた。旧計画の2520億円を1000億円近く削減した。

 完成予定は2020年東京五輪が開催される7月の直前の春になる。国際オリンピック委員会(IOC)が開催年の1月に前倒しを要望しているのを受けて「工事短縮の目標とした技術提案を求める」という条件も付けた。新国立の完成までには、大きな時の壁が立ちはだかる。

1964年東京大会のメーン会場となった旧国立霞ケ丘陸上競技場は…

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