東芝の利益水増し問題で、田中久雄前社長ら歴代3社長がパソコン事業の不正取引を認識しながら虚偽の利益を計上させた疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反罪での刑事告発を視野に調査していることが3日、関係者への取材で分かった。
また、監視委は週明けにも、有価証券報告書に虚偽記載があったとして、東芝に過去最高額となる70億円超の課徴金を納付させる行政処分を科すよう、金融庁に勧告する方針だ。
東芝の利益水増し額は税引き前損益で計2248億円。インフラや半導体のほか不採算部門のパソコン事業でも行われていた。監視委は当初、刑事告発に消極的だったが、社会に与えた影響のほか、歴代経営陣が不正の仕組みを理解しながら利益の計上を求め続けた点を重くみて刑事告発の可否を検討することとした。
東芝が公表した調査委員会の報告書は、海外の生産委託先に部品を納入し、完成したパソコンを買い取る「Buy-Sell取引」で各期末に利益のかさ上げが行われたと指摘。