【視点】東日本大震災から5年 仮設入居者いまだ6万人の現実 (1/3ページ)

2016.1.5 06:01

 □産経新聞正論調査室企画委員・工藤均

 3月11日、東日本大震災の発生から丸5年を迎える。被災地の幹線道路はほぼ開通し、農地の7割が復旧。水産業の水揚げは8割程度まで回復し、水産加工施設は約8割で業務が再開した。がれきの処理などを含めると、ハード面の復興は、見通しが立たない福島県の帰還困難区域を除けばある程度進んだといえるのではないか。

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 「住まいの復興」はどうか。6万4988人。東日本のプレハブ型の応急仮設住宅(仮設)で暮らす人数だ。戸数は3万1295戸(昨年11月1日、内閣府調べ)。単純な比較はできないが、阪神大震災では5年で全ての仮設が撤去された。発生時、仙台市に勤務し、取材の延長で仮設にも泊めてもらった。その経緯で今回、宮城県を取材すると、東日本の特徴がもたらした背景や入居者の複雑な心境が垣間見えた。

 仮設の標準的な面積は1戸当たり29.7平方メートル、9坪ほど。部屋の狭さだけでなく、床が腐ったり、カビが生えるなどの劣化という新たな壁にも直面している。

 入居が長期化した理由は、(1)もともと山が迫り出す地形で平地が少ない(2)海沿いの土地は津波の浸水で建築禁止地域(3)かさ上げ工事が終わらないと建てられない(4)災害復興の区画整理地域になり、区画整理が終わらないと建て替えができない-など。倒壊場所を片付ければ家を建てられた阪神とはここが決定的に異なった。

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