
高円宮妃久子さまを囲み、記念写真に納まる先端技術大賞の受賞者。前列左端は審査委員長を務めた阿部博之氏=28日、東京・元赤坂の明治記念館【拡大】
この日の授賞式では、東京都医学総合研究所病院等連携研究センターの糸川昌成センター長が「ハイブリッドが育む科学の力」と題して記念講演し、「日本人はオリジナリティーがないといわれるが、周りから入ってきたものに工夫を加え、オリジナルのものを作る能力がある」と語った。
授賞式に続いて開かれた記念レセプションには約200人が出席。会場では研究成果を紹介したパネルが飾られ、高円宮妃久子さまは受賞者の説明に熱心に耳を傾けられた。
文部科学大臣賞を受賞した東京大大学院の岩根由彦さんは、23種類以上の基質アミノ酸からポリペプチド分子(ペプチドやタンパク質)が合成できることを発見した。久子さまは「人類にとって大変重要な研究をされていますね」とねぎらいのお言葉をかけられた。
フジサンケイビジネスアイ賞を受賞したのは、東レの高感度タンパク質検出システム。専門の検査機関に検査を依頼すると1週間ほど要していたのに対し、わずか数十分で検査結果が分かるようになるという。久子さまは「(検査機関から)遠く離れた病院や大規模災害発生時などには期待できそうですね」と、今後の展開に興味を示されていた。