「はば海苔(のり)」と「幅が利く」の掛け詞があるほど千葉県の上総国の正月にはなくてはならない「はば雑煮」。はば海苔はこの時期にだけ店頭に並ぶ天然もので、わかめに似た歯応えと、濃い塩味が特徴的です。
九十九里浜に面した白子町から旭市飯岡を中心にこの雑煮が正月の食卓に登場します。松の内に毎日食べる家もあり、さらに7日には小松菜などを加えた「菜雑煮」、14日、二十日正月の食卓にも登場するほどで、これがないと雑煮を食べた気がしないといいます。
餅は家族円満を願う丸餅が主流。椀(わん)に、煮てやわらかくした餅と、昆布とかつお節でとっただしにしょうゆで味つけた汁を入れます。これに、あぶってもみほぐしたはば海苔と青海苔にかつお節をまぜ合わせたものをたっぷりかけて出来上がり。湯気とともにふわーっと海苔の香りが広がります。とてもシンプルな分、何杯でも食べられるので、「きょうは何個餅を食べた」という話にもなるそうです。
発祥や由来は定かではないのですが、江戸時代にはもう食べられていたとか。県外に住む家族のために材料を送る習慣もあり、縁起物のはば雑煮は、今後も脈々と受け継がれていきそうです。
<プロフィル>
さわの・ゆき bayfm情報アナウンサー。トレイルランニング歴10年目に突入。大会MC等での活動も拡大中。
◇
局アナnetはテレビ局やラジオ局に「局アナ」経験を持つアナウンサーのみが登録できる日本初の会員組織。転職支援やキャリアアップのコンサルティングサービスを行っています。関連サイト(http://lt-j.com/)では、関連動画がごらんになれます。
★通販サイト向けサービス「局アナnetリポート動画」(http://www.kyokuana.net/)をスタートしました。