「ぼくたちの会社のお客さんとの契約書には3つの特徴があります。1つ目は初期開発費用をお客さんから頂かない、ということです。実際に稼働するまで一銭も受け取らない。しかし稼働をはじめたら、今度は毎月前払いでいただく。これが2つ目です。3点目は、ぼくたちとお客さんがまったく同じ立場で、いつでもどちらからでも契約を解除できることです」
ユニバーサルナレッジ株式会社の代表取締役である井上俊一さんが契約書で拘る点はなかなか見事だ。
同社の事業はECサイト内の検索エンジンの開発とメンテナンスに特化している。クライアントをヨドバシカメラ、ベルメゾン(千趣会)、DeNAショッピングなど大手オンラインショップに絞り、サイト内検索の精度をあげることで売り上げに貢献する。現在、約10社の顧客があり、それぞれのサイトのエンドユーザー数を合計すると、3400万人になるから同社の影響力は大きい。因みにアマゾンの日本国内ユーザーが4800万人だ。
ユニバーサルナレッジ社の売り上げが客先の商品数と検索数をベースにカウントするからだけでなく、大手ほどデータ量が莫大であるため、質の高い検索エンジンの効果が出やすい。それが大手をメーンターゲットとする理由だ。
「買う、買わないって、人の考え方や決断のなかでも、とっても大切ですよね。ぼくたちが扱うデータは、そこにフォーカスしている。これはかなりワクワクしますよ」
自分たちの強みが市場で圧倒的だと自負があるから、いわゆる「下請け的」な契約書に甘んじない。その背後には約5年前に自分の会社を立ち上げるまでの、現在46歳の井上さん自身の苦い思い出がある。