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【軍事情勢】特攻が映し出す「自己犠牲」と「赦し」 (3/5ページ)

2013.12.8 00:10

 「2匹の蛍」の約束

 仏作家で文化大臣も務めたアンドレ・マルロー(1901~76年)も、特攻隊員と心から向き合った。

 「スターリン主義者にせよナチ党員にせよ、結局は権力を手に入れるための行動であった。特攻隊員たちはファナチック(狂信者)だったろうか。断じて違う。権勢欲とか名誉欲などかけらもなかった。祖国を憂える貴い情熱があるだけだった。代償を求めない純粋な行為、逆上と紙一重のファナチシズム(狂信的行為)とは根本的に異質である」=特攻隊戦没者慰霊顕彰会機関紙《特攻》

 フランスの哲学者にして日本文化研究家モーリス・パンゲ(1929~91年)も、著書《自死の日本史》で断じる。

 「強制され、誘惑され、洗脳されたのでもなかった。無と同じほどに透明であるがゆえに人の眼(め)には見えない、水晶のごとき自己放棄の精神をそこに見る。心をひき裂くばかりに悲しいのはこの透明さだ。だが彼らを理解するのに日本人である必要はない。死を背負った人間であるだけでよい」

 帝國陸軍の宮川三郎軍曹(戦死後少尉に特進/1925~45年)も「無と同じほどに透明」だった。しかし「透明」になれず“特攻くずれ”と蔑(さげす)まれた軍人もいる。

強者も弱者も苦しむ

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