新型万能細胞とされる「STAP(スタップ)細胞」の論文共著者の若山照彦山梨大教授(47)は16日、理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)・研究ユニットリーダー(30)が作製したSTAP細胞から培養した細胞の解析結果を公表し、「細胞が存在することを示す証拠はなかった」と発表した。
解析したのはSTAP細胞に増殖能力を持たせた幹細胞。若山氏が凍結保存していたものを第三者機関に依頼して解析した。小保方氏が論文で使った幹細胞8株は、紫外線を当てると光る緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子を18番目の染色体に組み込んだマウスを若山氏が小保方氏に渡し、作製を依頼していた。
この幹細胞を解析した結果、8株の全てでGFP遺伝子は15番目の染色体に組み込まれており、若山氏が提供したマウス由来ではなく、論文の記述と矛盾することが明らかになった。
また、別の幹細胞2株でも、若山氏が小保方氏に提供したものと異なる種類のマウスから作られたことが改めて確認されるなど、論文に使った全ての幹細胞に不自然な点が見つかった。理研も同様の解析を行い、同じ結果を得ている。