長野、岐阜両県にまたがる御嶽山(おんたけさん、3067メートル)の噴火で、長野県警と消防、陸上自衛隊は30日、火山活動が活発化しているため、心肺停止状態のまま山頂付近に取り残された登山者らの救助・捜索活動を途中で打ち切った。火山活動と有毒ガスに阻まれ、この日は1人も救助できなかった。「早く山が静かにならないのか」と、現場の隊員らはもどかしさを口にし、安否不明の登山者の家族らは「自分ではどうしようもできない」と焦燥を募らせた。
長野県によると、この日は約850人態勢で、山頂付近に取り残されている心肺停止状態の24人の登山者を搬送するとともに、山中に取り残されている恐れがある連絡の取れない登山者を捜索する予定だった。
「自分の身守れない」
陸自はこれまで使用していた輸送人員14人の中型ヘリコプターに替わり、55人を運べる大型ヘリ「CH-47」2機を投入し、180人を山頂付近に送り込む計画だった。地上からの捜索隊は早朝に長野県側の王滝登山口から山頂を目指し入山を始めた。