食材にこだわった「プレミアム総菜」などに力を入れるライフの総菜売り場=大阪市淀川区のライフセントラルスクエア西宮原店(南雲都撮影)【拡大】
スーパー各社が相次ぎ総菜事業の強化に乗り出している。狙いは小売業界を席巻し、総菜でも存在感を増しつつあるコンビニエンスストアへの対抗だ。食材の質を高めたり、コンビニが不得意な生鮮食材を使ったりした新メニューの開発などに取り組む。出来たての総菜を効率よく提供する食品加工センターや物流施設などの整備も加速しており、業態を越えた競争が激化している。(田村慶子)
巨大市場
4~5月に開かれた平成27年3月期の決算会見で、スーパー各社は相次ぎ「総菜強化」を重点課題に掲げた。背景には、約9兆1千億円(日本惣菜協会調べ、26年見込み)と、この10年で27%伸びている総菜市場の巨大化がある。高齢者の一人暮らしや共働き世帯が増えて家庭で食事を作らなくなり、外食産業も苦戦するなか、買った総菜を家で食べる“中食”は堅調だ。総菜開発に注力するコンビニへの危機感も強く、スーパー各社が総菜事業の強化策を打ち出す。
食品スーパー最大手のライフコーポレーションは26年3月、高級・高価格帯の生鮮品「ライフプレミアム」シリーズを総菜にも広げた。