また、インドネシア政府も短期的に輸出額の減少はやむを得ないとの見解を示す。エネルギー・鉱物省の幹部は「未加工鉱石の禁輸で、加工品輸出は現在の50億ドルから16年までに91億ドルに増加する」と述べ、長期的には利益になる決定だと主張した。
こうした政府の強気な姿勢に対し、反発の声もあがる。業界団体のインドネシア鉱物企業協会は中小規模が多い地場鉱業会社にとっては死活問題だとして反対の立場を表明。協会幹部は「資本力のある大手だけが対応できる法律だ。地場企業は発展の前に全滅する」と危機感をあらわにした。
日本はニッケル鉱石の輸入量の約40%をインドネシアに依存するなどしており、調達先変更といった対応をとる日本企業も出た。輸出禁止を目前に控え、政府内で緩和策を模索する動きも出ており、ユドヨノ大統領の決断に注目が集まっている。(シンガポール支局)