□元衆議院議員 与謝野馨氏
■理性と科学を高めることが責任
人は簡単に「自分は反原発です」と言います。別の人は「原発がなければ何もかもはじまらない」といいます。どのように考えたらよいのでしょうか。
われわれの世代は、電気はスイッチをひねればむこうからやってくると信じています。また、多くの人は電気が短時間停電した経験は持っていても、相当の時間、電気がこなくなると、とんでもなくこわいことがいっぱい起きることは震災まで知りませんでした。反原発という人はインテリ層に比較的多いが、その人たちすら、電気が少しでもこなかったら、理屈抜きで怒りまくるでしょう。思考停止の状態で怒りまくる。原発を論じる人には、少しはエネルギーと経済の原則を知っていてほしいと思います。
1、経済発展にはかならずエネルギーが必要。(先進国も発展途上国も同じ)
2、日本は資源にめぐまれていない。ほとんど対外依存だ。
3、エネルギー保存則という原理があって、なにもないところからエネルギーはかきでてこない。再生可能なエネルギーという言葉は誤解を与える。エネルギーは使えば、散らばってしまうか、力に変わってしまう。
いま日本に必要なのは、科学や人間の理性を信じ、熱狂はさけて、静かに原子力の将来を論じることです。放射能は長時間あたっていると人間の体の健康に被害を及ぼす。それは皆が知っています。ただし、国民は放射線を浴びるということが非日常的なものと思っておられるが、毎日のように人間は大地からも天からも放射線を浴びています。もちろん電子機器からもです。
とくに今のように医学が進んでくると放射線は診断にも治療にもあたりまえのように使われています。そんな普通に使われているものに対して「怖いぞ・怖いぞ」とアジるのは良くありません。冷静な科学的態度で原子力に向き合うことが大事です。