カンボジアで初となる石炭火力発電所が先月、東部プレアシアヌークで本格稼働を開始した。経済成長にともない、年25%のペースで需要増が続く首都プノンペンの電力不足解消につながると期待される。現地紙プノンペン・ポストなどが報じた。
総工費3億4000万ドル(約350億円)の同発電所は、マレーシアのリーダー・ユニバーサルが2010年に建設を開始、昨年11月に完成した。発電能力は10万キロワットで、燃料の石炭はインドネシアから調達する。今後30年間にわたって同社が運営したあと、カンボジア政府に譲渡する契約だ。
稼働開始の式典にはフン・セン首相も出席。「プノンペンの電力の安定供給がようやく実現する」と述べ、同発電所への期待を表明した。
プノンペンの電力需要は1980年代には約3万キロワット時で推移していたが、その後の経済成長とともに需要が増加し現在は約40万キロワット時となっている。
今後も需要拡大が続くとみられているが、年内には中国資本による発電能力40万キロワットの火力発電所の完成が予定されていることから、政府は当面の電力供給に自信を見せる。