財務省は27日、全国の官庁内にある飲料などの自動販売機の設置に価格競争入札を導入する方針を固めた。多くの地方自治体が設置業者を競争入札で選んでいるのに対し、未実施の国では設置後の光熱水費を負担しているケースもあり、公平性に加え、国の歳入増にも役立てるため来年度からの実施を目指す。
国の庁舎に設置する自販機の使用料や業者選定手続きは、1958年の旧大蔵省(現財務省)通達がよりどころとなっている。価格競争入札は、この通達を改正する形で導入する。
現在は、国有財産への設置に伴う使用料は近隣地域の賃貸取引などを参考に算定するとしており、価格競争は求めていない。また、国家公務員共済組合法では各省庁が組合運営に必要な範囲内で土地、建物を無償で利用させることを認めており、業者が無料で庁舎内に自販機を置くこともできる。
財務省がモデルケースとして中国財務局管内(広島、岡山、島根、鳥取、山口の5県)の32庁舎にある自販機計382台を調べた結果、使用料は23庁舎が有償、9庁舎は無償だった。このうち3庁舎では設置後の光熱水料まで国が負担していた。13年に103万2000円の年間使用料を得ていた庁舎もあったが、1庁舎平均は9万8000円(1台当たり8000円)にとどまった。