自民党は1日、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対する党の見解をまとめるため、政務調査会での議論を開始した。政府は現段階でのAIIB参加に慎重で、党内の大勢も政府判断を支持した。ただ、政府が不参加の理由としているAIIBの不透明な組織運営や融資審査能力への懸念が払拭された場合には、日本も参加すべきだとの声もあがった。
党の外交部会と財務金融部会の合同会議には、高村正彦副総裁や野田毅税調会長らベテランを含め約30人が出席。公正なガバナンス(統治)の確立などAIIBに対する疑問点がクリアされない限り、日本は参加に慎重であるべきだとの意見が相次いだ。
ただ、2020年までに8兆ドルの資金需要が見込まれるアジアのインフラ建設は「日本企業には大きなビジネスチャンス」として、参加を求める声も出た。
合同会議は今後、有識者からヒアリングを実施し、国際金融秩序への影響や外交・安全保障上の余波などを検討する。設立協定の署名が予定される6月までに党の見解をまとめる予定。終了後、秋葉賢也外交部会長は「選択肢は狭めず議論していきたい」と語った。