賃金などの格差が社会問題になっている韓国だが、働き先である企業の収益力の差も広がるばかりだ。韓国の左派系紙ハンギョレ(電子版)は、サムスン電子や現代自動車など資産規模上位4社の企業グループに利益が偏り、「富める者と貧しい者」の格差が深刻な状況になっていると伝えた。しかも下請け企業との利益格差も拡大しているという。ほんの一部の財閥企業の肩に韓国経済が乗りかかる傾向が一段と強まる韓国。そこには不公平感という感情論と違う、見過ごせないリスクが存在する。
金回りは大手企業に集中
韓国経済のいびつな構造がまた浮き彫りになった。
ハンギョレによると、資産規模で30グループを3つに分けた調査では、サムスンと現代自、LG電子、SKが入る上位グループ(1~4位)の当期最終利益は39兆ウォン(4兆2500億円)で黒字を確保できたが、下位グループは赤字だった。
集計では、現代重工業などが入る中位グループ(5~10位)は1兆9000億ウォン、通信事業者のKTなどを含む下位グループ(11~30)は7000億ウォンの赤字と集計された。