運営権の売却が遅れている関西国際空港【拡大】
国土交通省は17日、仙台空港の運営権売却・民営化について、当初予定の来年3月下旬から6月末に延期すると発表した。国から運営を委託する民間企業への業務引き継ぎ期間を確保するためという。空港の運営権売却をめぐっては、関西国際空港と大阪(伊丹)空港も条件面の厳しさから3カ月程度スケジュールが後ずれしている。成長戦略の目玉の一つだったインフラの運営権売却に向けて、乗り越えるべきハードルは低くない。
「応募企業には空港運営の経験がない。安全に直結する部分もあり、万全を期したいという声が企業サイドからあった」。国交省航空局は今回のスケジュール変更について、このように説明する。
国や自治体に所有権を残したまま、空港や上下水道などインフラの運営権を民間に売却・民営化する「コンセッション」は、経済成長と財政健全化の“一挙両得”を狙う手法だ。民間が空港ビルの収入などを原資に着陸料を値下げし、路線拡大などを見込む。
その「第1号」となる仙台空港は早くから注目を集めてきた。空港ビルなど第三セクター2社の全株式(57億円)を引き受けることが応募条件で、昨夏から公募手続きを開始。三菱地所=ANAホールディングス連合、三菱商事=楽天連合、東急グループ=豪投資銀行のマッコーリー連合、イオン=熊谷組連合の4グループが応募し、いずれも1次審査を通過した。