内閣府が20日公表した1月の月例経済報告は、景気の基調判断を「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、3カ月連続で据え置いた。個別項目では生産を「弱含んでいる」から「横ばいとなっている」に上方修正したが、個人消費や設備投資は据え置いた。先行きについては、中国経済の減速懸念による足下の株式市場の混乱などを踏まえ、新たに「金融資本市場の変動に留意する必要がある」と明記した。
月例報告は、甘利明経済再生担当相が同日開かれた関係閣僚会議に報告した。
生産判断の上方修正は平成27年3月以来、10カ月ぶり。自動車の生産が持ち直す一方、新型スマートフォンの生産は力強さに欠けた。
内閣府は「判断こそ上方修正したものの、生産はあくまで『横ばい』で、改善はない」として、全体の基調判断を押し上げる力はないとの見方を示した。
個人消費は、新車や家電の販売が横ばいで「総じてみれば底堅い動き」を維持。設備投資は「おおむね横ばい」のままとした。
先行きは、雇用・所得環境の改善などで回復基調が続くものの、新興国の景気が下ぶれし、「(日本の)景気が下押しされるリスクがある」などとした。