リスク警戒 遠い「デフレ脱却宣言」 1月の月例経済報告

2016.1.20 21:20

 内閣府が発表した1月の月例経済報告は、先行きの留意事項として「金融資本市場変動の影響」を追記するなど、中国経済失速などのリスクを警戒する内容となった。原油安を背景に、日銀が掲げる物価上昇目標2%の達成は難しく、政府の「デフレ脱却宣言」は遠い。政府内では早くも、景気刺激と内需底上げのため経済対策を講じるべきだとの声が出始めている。

 安倍晋三首相は今月4日の年頭会見で「デフレ脱却というところまで来ていないのは事実だ」と述べた。

 昨年12月に閣議了解された政府経済見通しでは、平成28年度の物価上昇率は1・2%。菅(すが)義(よし)偉(ひで)官房長官は19日の記者会見で「市場の動きに右往左往すべきじゃない」とした上で、「成立した27年度補正予算を速やかに実行に移すことを大事にしたいし、日銀と政府がしっかり連携したい」と強調した。

 一方で政府は、デフレ脱却の判断に物価目標達成は必須ではないとの見方を強調し始めている。

 甘利明経済再生担当相は4日の記者会見で、需給ギャップ(供給過剰の大きさ)とユニットレーバーコスト(生産1単位あたりの人件費)など複数の指標を組み合わせて「総合的に判断する」と述べた。

 こうした指標が安定的にプラスになれば、デフレ脱却宣言と判断する。その場合はまず、毎月公表される月例報告に盛り込まれ、首相が対外的に「宣言」する公算が大きい。政府が13年3月に戦後初のデフレ入りを認定した際も、まずは月例報告に明記した。

 甘利担当相は「28年中にもデフレ脱却宣言ができれば最高だ」とも述べた。

 しかし、市場では「当面のデフレ脱却は難しい」との見方が多い。

 判断基準の一つに挙がる需給ギャップの供給過剰解消についても「個人消費、設備投資といった内需の底上げが必要になる」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)。ただ、中国経済減速に対する不安感を背景に、経営側の賃上げや投資の姿勢は慎重だ。

 今夏の参院選や、来年4月の消費税率10%への引き上げを踏まえ、政府内では、景気浮揚のための経済対策を経済財政諮問会議などで議論すべきだとの声が浮上している。

 ただ、個人消費も伸び悩む中、新たな経済対策がどこまでの効果を生み出せるかが課題になる。(山口暢彦)

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