実態踏まえ規則整備
金融機関には早くも規制緩和に対応する動きが出ている。みずほ銀行は法整備を前提に、2017年度からサービスを開始する準備に入った。同社はJ-デビットに力を入れており、「キャッシュアウトは、J-デビットのカンフル剤になるかもしれない」(広報室)と期待する。
ただ、キャッシュアウトの実用化に向けては今後まだまだ詰めるべき点も多い。金融庁は年内にも関連政省令を改正し、キャッシュアウトをATMと同様に銀行法令上の「預金の払い出し」の外部委託として整理する。銀行の委託先となる小売店などの管理体制についても整備する必要がある。ATMと違って、レジに入れることができる現金や宅配業者が持ち歩ける現金には限りがあることから、キャッシュアウト1回当たりの限度額を設定するなど「業界の実務的な意見を聞きながら、ルールを作らなければいけない」(金融庁幹部)としている。
一方で、金融機関側もルール作りが必要となる見通しだ。例えば、現金を引き出すだけの利用を制限して買い物に付随するサービスとするなど、小売店と利用者との間でトラブルが生じないようにきめ細かなルールを今後、業界団体として整備するとみられる。