
G7サミット・ワーキングセッションに臨む安倍首相(手前左)、オバマ米大統領(同右)と(左端から時計回りに)オランド仏大統領、キャメロン英首相、トルドー加首相、ユンケル欧州委員長、トゥスクEU大統領、レンツィ伊首相、メルケル独首相=26日午後、三重県志摩市(代表撮影)【拡大】
26日開幕した主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では、中国の過剰生産が世界に与える悪影響も議論された。とくに、鉄鋼のダンピング(不当廉売)輸出で日米欧のメーカーが苦境にあえぐ中、27日にまとめる首脳宣言では必要に応じ対抗措置を検討すると明記、生産能力拡大を補助金で支援する中国を牽制(けんせい)する。先進7カ国(G7)は経済分野でも対中包囲網を築く。
「中国はサミット参加国ではないが、『陰の主役』」
元日銀理事の早川英男・富士通総研エグゼクティブ・フェローはこう語る。
鉄鋼の過剰生産の解消は進まず、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は26日、三重県で記者会見し、「欧州で多くの雇用を犠牲にしている」と懸念を示した。中国政府は、赤字製鉄所を補助金などで支えていると指摘されており、首脳宣言は中国を名指ししないものの、「市場を歪曲(わいきょく)する支援を懸念する」と見直しを求める。
是正されない場合は、世界貿易機関(WTO)のルールにのっとり、対抗措置を発動する可能性も示す。