水揚げされたクロマグロ。巻き網漁の漁獲量が増加傾向にある=2015年5月、鳥取県境港市【拡大】
漁業資源の国際管理に詳しい学習院大の阪口功教授は「ISCの評価は楽観的すぎるとの批判もあり、状況の深刻さと資源管理の失敗は明白だ」と指摘する。
日本が最大の漁業国になっている中西部太平洋の資源管理機関「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」は30キロ未満の未成魚漁獲量を02~04年平均の半分に減らすほか、大型魚は同期間の平均漁獲量を上回らないような措置を取るといった国際的な規制を昨年から開始。水産庁も国内漁業者を対象に未成魚の漁獲規制に乗り出した。
今、注目されているのは、産卵に訪れた親魚を大量に漁獲している巻き網漁を規制するかどうかだ。一本釣りなどのマグロ漁業者の中には「産卵期の親魚の禁漁も行うべきだ」との声が高まっている。阪口教授も「未成魚の漁獲規制だけでは不十分で、親魚まで含めた総合的で強力な資源管理が必要だ」と指摘する。