創造と破壊「ソニーにいたらできなかった」 元技術者の近藤哲二郎さん (3/7ページ)

2013.5.10 11:00

ISVC技術で処理した映像

ISVC技術で処理した映像【拡大】

 発表会では、フルハイビジョンカメラで撮影した本栖湖から望む富士山をISVCで処理、4Kプロジェクターを使って450型大型スクリーンに映し出した。富士山の圧倒的な存在感はもちろんだが、例えば「富士山の神々しさ」を脳が記憶していれば、その情景がよみがえるという。

 一般的な超解像技術で処理された4K映像は、カメラの焦点が合っているところはきれいに映るが、その周囲はぼけてしまう。これに対しISVCで処理した映像は、近景から遠景まで大画面いっぱいに広がる景色のどこをみてもピントが合っているので見ていて疲れない。つまり脳に優しいというわけだ。

 TVの進化に貢献

 映像処理技術で最先端を走る近藤だが、ここまで順風満帆の技術者人生を歩んできたわけではない。ソニーでは不遇の時間の方が長かったかもしれない。

 花が開くのは、ソニーでも知る人が少ないという10年先を見据えた研究開発に取り組む★(エーキューブド)研究所の所長を務めてからだ。その成果として97年に、標準画質の解像度の地上波放送をデジタル処理してハイビジョンの解像度に高めるクリエーション技術「DRC」を開発した。

近藤はソニーのテレビの進化に欠くことのできない人間だった

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