ISVC技術で処理した映像【拡大】
近藤は「画像信号処理技術を開発してもソニーにはインフラ(搭載するディスプレー)がなくなった。育てられたソニーに恩返しをしたかったが、『やらない』と言われたらどうしようもない」と独立のいきさつを語る。
出井は近藤の仕事に対して「きれいな画像を創る技術は4Kの上を行く。ハードではなくアルゴリズム(計算手法)というソフトの世界で生きているので、ディスプレーがある限り技術は生きる」と一目を置く。さらに「(外に)飛び出す勇気がソニーの強み。生き残るには先を読んで次元を変えなければいけない。20年先をみる●研究所は強い」と評価する。
「次元を変える」のは近藤の真骨頂で、「借金をしてでも欲しいものを創る」というソニーの技術者魂の持ち主だ。「『やるな』と禁止令が出ても、やった。錬金術になると確信したからだ。ハイビジョンを10年先取りしたDRCがそうだった」と振り返る。ハイビジョンがないとき、標準型でハイビジョンを見せるのだから、まさに錬金術といえる。