賞味期限が21日間であることも開発の重要なポイントだった。チルドカップの容器内で、21日間泡の状態で保てるかということが、技術的な壁として立ちはだかった。これは、ホイップクリームを上層に、コーヒーをゼリー状にし下層に配置することなどで、商品輸送時の振動で混ざりにくいように工夫した。「下層を硬すぎず軟らかすぎず、微妙な加減にするのが苦労した」(川口さん)という。
実は、アワリッチの開発は「飲料」ではなく「洋生菓子」部門で進められた。「スーパーなどの飲料棚に新たに商品を置いてもらうためには、既存の概念にとらわれない発想が必要だったから」(難波さん)だ。
洋生菓子グループは、カップからプリンを皿に落とすというヒット商品「プッチンプリン」で、小容量でまとめ買いのできるタイプや、男性向けの大容量タイプ、甘くない味など、次々とユニークな商品を開発し、消費者を魅了した。「創意工夫とこだわりのある商品開発」という同社のDNAは、アワリッチの開発でも十分受け継がれた。
ところで、アワリッチと競合するチルドカップ分野は、コンビニなどのプライベートブランド(PB)が存在感を示しており、飲料メーカーといえども、売り場で新規スペースを確保するのは容易ではない。なにより、これまでにない泡の新食感が消費者に伝わらなければ、手にとってもらえない。