■乳飲料市場、減少予測も開拓へ期待
≪MARKET≫
国内メーカーの熾烈(しれつ)な競争が続く飲料市場で、「洋生菓子」に分類されるアワリッチが競合するのは、乳等省令で定める乳飲料だ。
富士経済によると、乳飲料の市場規模はここ数年横ばい傾向で、2013年の販売額(見込み)は前年比1.0%増の2879億円だった。だが、15年には前年比0.4%減と予測されており、今後の市場の見通しは予断を許さない。
プラスチックカップを使用したチルドカップ市場は、森永乳業の「マウントレーニア」や、サントリー食品インターナショナルの「スターバックス」が牽引(けんいん)したものの、08年ごろから成熟期に入ったとされる。グリコ乳業はこれらの強敵に挑むべく、ドロリッチやアワリッチを投入してきた。
一方、コーヒー市場は活気づいている。コンビニエンスストア各社がレジ横で煎り立てのコーヒーを提供する「カウンターコーヒー」という新分野が登場。さらに、スーパーなどによるプライベートブランド(自主企画、PB)の投入が活発化している。
このため、チルドカップの乳飲料市場への影響が注目されるが、「カウンターコーヒーでは、カフェオレなどのコーヒー系乳飲料を導入しておらず、影響は軽微だ」(業界関係者)との見方が強い。
チルドカップは製造から運搬、販売まで一貫して低温を保つため新鮮な味わいが楽しめる。グリコ乳業は、アワリッチの新感覚の食感で新市場を切り開くことに期待をかけている。