技術開発に携わった3人は、若いとはいえ、経験は豊富だ。抹茶のアワリッチ開発で中心となった開発研究企画グループの岡村岳さん(28)は、ドロリッチとプッチンプリンを担当。川口さんは2008年の入社後すぐにドロリッチの担当になり、プッチンプリンも手掛けた。川口さんと同じ部署の加藤亮祐さん(27)は、入社時に1年だけ果汁飲料の開発を担当したことがあり、その後、洋生菓子の開発に携わっている。「飲料という発想ではなく、デザートの新しい食べ方の提案をしたい」(川口さん)、「ストローで飲む泡の飲料の開発はとても魅力的だった」(加藤さん)と、意欲を燃やしてきた。
同社は4年前、「現在の市場にはない新しい価値を持った商品の研究開発」を進めるため、同研究所内に開発研究企画グループを設置している。岡村さんは、アワリッチの抹茶を作るに当たり、お茶を使ったデザートを扱う店や茶葉の販売店を訪れ、最前線の現場で感性を磨いてきた。
研究員は、良い原料を使って良い商品を作りたいが、販売価格が上がることになる。価格に見合った商品になるのかという観点から、難波さんらマーケティング本部との議論が過熱することも度々あったという。「こういった真剣な議論こそが商品の魅力を生み出す源泉となると考えている」(難波さん)。
アワリッチは今後どうなるのか。コーヒー、抹茶は、泡との相性がいいことは想像がつく。難波さんは「今後は泡とのイメージがでてこない何かを試してみよう、というのもありうる」と話す。消費者の想像力を超えた「飲んで驚きのある」(加藤さん)ブランド作りがこれからの課題だ。