【原発ゼロの夏】電力の安定供給を考える(下-1) (2/6ページ)

2014.8.6 05:00

 井伊 原子力の必要性や重要性は分かっているが、世論を気にしてなかなかそれを語れない。これが政治の世界ではないのですか。

 石川 確かにそのような雰囲気があります。政権交代が比較的起こりやすいといわれる小選挙区制の弊害ともいえるのではないでしょうか。

 市川 1982年に中国のトウ小平が、「第一列島線と第二列島線を確保せよ」という指示を出しています。第一列島線は東シナ海と南シナ海をカバーするラインで、第二列島線はハワイまでです。この制海権を握れるよう人民解放軍の近代化を進めよというものです。2011年の米議会では、中国が空母の運用を始め、複数船の建造も始めた中で東シナ海、南シナ海の制海権の確保を狙っているのではないかと問題視されていました。日本も、エネルギーを含めた国家の安全保障を政府がしっかり考えていかなければなりません。

 現在、日本はオイルショックの教訓から、原油は国家備蓄法により半年分の備蓄をしていますが、液化天然ガス(LNG)と石炭は備蓄に関する規制がありません。というのも、LNGはマイナス162度の環境で管理するためコストが膨大になりますし、石炭は大量に山積みしておくと粉塵が舞ったり、発火する危険があるので備蓄できません。そのため、電力会社が最も苦労しているのは燃料を運ぶための傭船です。長期間、備蓄ができない石炭やLNGは、適宜、船で補充する必要があります。1週間も船が入ってこないと発電用の燃料がなくなってしまう。

公海上で船を10日も止めてしまえば、日本のエネルギーは途絶の恐れ

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