JR山手線の西側に並行して高架柱を建て、高い位置にレールを新設、JR東海道線の東京駅上空にホームを設置するものだ。東京-羽田間は乗り換えて28分かかるが、延伸が実現すれば乗り換えがなくなり、22分に短縮されるとしている。
ただ、すべての構想が実現するかは未知数といえる。ここへきて羽田をめぐる新線構想が乱立してきたのは、旅客需要の取り込みを狙う鉄道事業者間の権益争いという側面もあるからだ。
ある証券アナリストは「例えば都心直結線ができると、JR東にとっては、傘下の東京モノレールや成田空港への鉄道アクセスである成田エクスプレスの需要を奪われるおそれがある。積極的に新線構想を打ち上げ、牽制(けんせい)している面もあるのでは」と指摘する。
また、いずれの新線構想も、建設費の確保が大きな課題となる。JR東は羽田空港アクセス線構想で約3200億円を見込んでいるが、都心から羽田への所要時間がほぼ半減する点を訴え、国や自治体の支援に期待を寄せる。都心直結線は数年前に4000億円程度と試算され、他の新線構想も1000億円規模と、どれも額は小さくはない。用地買収も容易でなさそうだ。