■部品メーカー、主体的説明責任の欠如
ソニーは事態を沈静化するため、同年9月に事故原因が完全には究明できていない段階で全面的な自主回収を決定。510億円の費用をかけ、全世界で960万個のリチウムイオン電池を回収することになった。
リコールを消費者に説明するのは本来、最終製品を作るパソコンメーカーの役割だ。ソニー関係者は「米国でのリコールにはCPSC(消費者製品安全委員会)との調整が必要で、勝手に動けなかった。不具合が起きる確率は少なく、リコールをしたがらないメーカーもあった」と振り返る。
ソニーの前例は、消費者の関心が高い大規模リコールでは製造責任がある部品メーカーが前面に出なければ信頼回復が難しいことを示す。
だが、タカタは「われわれはお客さまの連絡先も知らない」(広報)として全米リコールの判断を自動車メーカーに委ねる姿勢を崩さない。
消費者意識が高い米国での対応を見誤ったという意味では、2009~10年にトヨタ自動車が起こした大量リコール問題とも共通する。