三菱自動車に続き、誤った自動車の燃費データ計測をしたスズキの会見=18日午後、東京都千代田区の国交省(宮崎瑞穂撮影)【拡大】
笠井常務「『2010年』という点が色々印象づけているかもしれませんが、世界中で燃費基準の要求が2005年、10年、15年と高まって参りました。それまでは、たとえ実測の結果、測定データがばらついていたとしても、それを使っていればやっていける時期だったと思います。しかし10年、15年とCO2基準が厳しくなっていくと、日本でも燃費基準が高まる。それのみならずインセンティブ(動機)も高まると。私どもは2つの方法をとってまいりました。それがこの10年というところに集約している」
「スズキは走行抵抗に無頓着だったが、各メーカーさんの研究発表とかを拝見しますと『エンジン性能の向上だけを頑張るのでなく、走行抵抗の改善もやらないと』、と。弊社もこれに対応して、走行抵抗を精密に計測して開発に生かそうとやってまいりました」
「2点目に、技術開発もしなければなりません。軽自動車でいいますと、エンジンも刷新しました。CVT(無段変速機)も新しいタイプにしました。そのほか軽量化だとか、他社さんに先駆けて電気装置を入れて燃費を上げるような技術開発も同時に進めました」
「私は信じておりますが、燃費を見かけ上よくするために、走行抵抗値を操作しようという意図は、私が見てきた中ではございません。なぜなら、環境を整えて、燃費を正味で出すということに取り組んでくれました。それはいろんな技術を使いながら、走行抵抗にも目を向けながらやってきたということで、その大きな境目が、社会的な要請の中で2010年ごろにあったと。私どものとった行動は、技術的な方法に関しては間違っていなかったと考えています」
(続く)