
対中日戦でサヨナラ本塁打を放った広島の新井は試合後にファンとハイタッチ=18日、マツダスタジアム【拡大】
広島市の人口は約119万人とされる。観客を支える背景としては、横浜市のDeNAや大阪市のオリックス、名古屋市の中日よりも劣る。ところが、観客動員数は巨人、阪神、ソフトバンクに次いで4位。市民の熱狂度がうかがい知れる。
市民球団から出発した歴史があり、当然だとする見方もあろう。しかし、実際は成績の低迷もあって思うように観客が伸びない時代が続いた。「赤ヘル旋風」以降も親会社を持たない経営環境の厳しさも手伝い、FA宣言する主力選手を引き留められず、補強も進まず、成績と観客動員の低迷を招いた。
転機は2009年、マツダスタジアムの完成と本拠地移転である。街中の広島市民球場から広島駅近くの新球場へ。懸念もあったが、ゆったりと開放的な空間、ユニバーサルデザインが導入された設計は高く評価された。観客視線に立つ「砂かぶり席」「寝ソベリア」「ファミリーテラス」「パーティーデッキ」など工夫を凝らした座席などが大きな話題となり、新たなファン層も呼び込んだ。
◆発想豊かな球団
もともと、発想が豊かな球団である。斬新な応援スタイルやファン対策で、親会社のない状況にもかかわらず毎年、黒字を計上している。そこに若い選手の活躍に伴い、若い女性ファンが増えた。誰言うともなく命名された「カープ女子」は全国に拡大、社会現象ともなった。
09年以前は100万人を切る年もあった観客動員は、09年187万人まで増加。そして昨年、黒田博樹投手がロサンゼルス・ドジャースの破格な契約条件を断り、復帰したことが話題を呼び、200万人突破に結びついたわけである。